足のだるさ・こむら返り・皮膚の変色…それ、下肢静脈瘤かもしれません|専門医が教える見逃されやすい初期症状と対処法

下肢静脈瘤の症状

足のだるさ・こむら返り・皮膚の変色に注意!見落とされやすい下肢静脈瘤の症状とは

下肢静脈瘤は、脚の表面近くにある静脈が膨らみ、蛇行して血液が逆流する病気です。多くの方が「血管の膨らみ」や「クモの巣状静脈」など目に見える変化に注目しがちですが、実際にはそれ以外にも見落とされやすい自覚症状があります。初期段階で気づければ、重症化や皮膚トラブルを未然に防ぐことが可能です。

下肢静脈瘤の画像

本記事では、血管外科医の視点から、軽視されがちな下肢静脈瘤のサインや対処法をわかりやすく解説します。

🔍 見落とされやすい下肢静脈瘤の5つの症状

1. 足のだるさ・重さ

「仕事で疲れているだけ」と見過ごされがちですが、長時間立っていたり座っていたりした後に足がだるく感じる場合、静脈の血流が滞っているサインかもしれません。夕方以降に症状が強くなる傾向があります。

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2. 夜間・早朝のこむら返り

ふくらはぎの痙攣(こむら返り)は単なる筋肉疲労だけではありません。静脈血の逆流によって酸素不足が起こることで発生することも。私たちのクリニックでは、こむら返りで来院された方の多くに下肢静脈瘤が見つかっています。

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3. 足首周りの皮膚の変色・硬化

足首周辺が茶色く変色し、皮膚が硬くなってきたら要注意。それはうっ滞性皮膚炎の兆候であり、進行すれば皮膚潰瘍を引き起こす可能性もあります。

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4. かゆみや湿疹

「乾燥肌かな?」と見逃されやすいかゆみや湿疹も、実は血液のうっ滞による皮膚炎の可能性があります。特に同じ箇所に繰り返す場合は医師に相談を。

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5. 足のむずむず感

「レストレスレッグ症候群」と混同されがちなこの症状も、静脈の逆流による不快感として起こることがあります。

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💡 なぜ見落とされやすいのか?

  • 他の病気や疲労と似た症状が多い(例:こむら返り、だるさ)
  • 外見上の変化がない段階でも症状が出る
  • 「年齢や仕事の疲れ」と思い込みやすい

✅ 見逃しを防ぐ3つの対策

1. 専門医による超音波検査

足に違和感を感じたら、血管外科での超音波検査がおすすめです。検査は5〜10分程度で終了し、静脈の血流状態をリアルタイムで確認できます。痛みもありません。

2. 立ち仕事・座り仕事が多い方の予防策

飲食業やデスクワークの方は、1時間に1回程度の軽い運動や、着圧ソックスの着用が効果的です。

3. 血流を促す生活習慣

ウォーキングやストレッチなど、ふくらはぎを使った運動を習慣化することで、静脈の血流が促進され、再発予防にもつながります。

🏁 まとめ:小さな違和感を見逃さない

下肢静脈瘤は、早期発見と適切な対処で進行を防げる疾患です。目に見える静脈の膨らみだけでなく、日常に潜む違和感にも目を向けましょう。気になる症状がある方は、ぜひ当院までご相談ください。


下肢静脈瘤の見逃しがちな症状を説明する図

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❓よくある質問 FAQ

Q1. 足のだるさやこむら返りだけでも下肢静脈瘤の可能性はありますか?
A. はい、あります。特に夕方以降に悪化する場合は、静脈の逆流が疑われます。目に見える血管の膨らみがなくても、超音波検査で発見されるケースが多くあります。

Q2. 下肢静脈瘤の初期症状を放置するとどうなりますか?
A. 放置すると、うっ滞性皮膚炎や皮膚潰瘍などの皮膚トラブルに進行する可能性があります。症状が軽いうちに治療することで、体への負担を減らすことができます。

Q3. 超音波検査はどのように受けられますか?
A. 当院では予約制で超音波検査を行っており、痛みはなく、5〜10分ほどで終了します。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

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