パティシエに多い下肢静脈瘤の原因と対策|立ち仕事による足の疲れ・血管の浮き出しに注意を
本記事は、下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」院長 齋藤陽 医師が監修しています。
毎日、美味しいスイーツを届けるパティシエの仕事。しかしその裏で、長時間の立ち仕事が足に大きな負担をかけていることをご存知でしょうか?
実は、パティシエは職業的に下肢静脈瘤を発症しやすいと言われています。本記事では、下肢静脈瘤の原因と症状、そして忙しいパティシエでも実践できる予防法や治療法を、専門医の視点から詳しく解説します。
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤は、足の表面の静脈が拡張して血液が逆流し、瘤(こぶ)のように浮き出てくる疾患です。
見た目の問題だけでなく、「足が重だるい」「立っているとふくらはぎが痛い」「夕方になるとむくむ」などの症状も特徴です。

さまざまな下肢静脈瘤の写真
パティシエが特に注意すべきリスク
パティシエは製菓作業中に長時間立ちっぱなしの姿勢を続けることが多く、足の血液循環が悪くなることで、下肢静脈瘤のリスクが高まります。
足を動かさずに立っている時間が長いと、ふくらはぎの筋肉ポンプがうまく働かず、血液が脚に滞ってしまうのです。

足の筋肉のポンプ作用
今すぐ実践できる!パティシエ向けの予防法
1. 定期的なストレッチと体操
作業の合間に、足首を回す・かかとの上げ下げなどの簡単な運動を取り入れるだけで、血流が促進され予防に効果的です。
特に、ふくらはぎを動かす運動は下肢静脈瘤予防の基本です。
2. 足に合った靴を選ぶ
足をしっかりサポートし、クッション性に優れたシューズを選びましょう。
インソールを活用することで、足裏からの衝撃を軽減し、血行促進にもつながります。
3. 弾性ストッキング(着圧ソックス)の着用
弾性ストッキング(着圧ソックス)は、脚に適度な圧力をかけることで血液を心臓へ戻すサポートをしてくれます。
長時間立ちっぱなしの業務を行うパティシエには、特におすすめです。

弾性ストッキング写真(ハイソックスタイプとストッキングタイプ)
4. 休憩中は脚を高く
椅子に座っているときに、足を台などに乗せて軽く高くするだけでも効果があります。
血流が良くなり、むくみの予防にもなります。

足を台の上に乗せて休む
もし症状が出たら?治療法について
下肢静脈瘤は、進行性の病気です。自然治癒することはなく、症状があるならば早めの受診が重要です。
軽度であれば着圧ソックスや生活習慣の改善でコントロールできますが、血管の浮き出しや色素沈着、湿疹などの症状がある場合は、以下のような治療が検討されます。
- レーザー治療(EVLT)
- グルー治療(接着剤で血管を閉じる)
- 硬化療法(薬剤を注射)
いずれも日帰り手術が可能で、当日歩いて帰宅できます。
専門医からのアドバイス
目黒外科には、実際に現役パティシエの方が多数受診されています。
「足の血管が浮いてきたけど、仕事を休めない」という方でも、スケジュールに合わせた治療計画を立てることができます。
美味しいお菓子を届け続けるためにも、自分の足を大切にしてください。

体験談:現役パティシエの声
「朝から晩まで立ち仕事で、帰宅するとふくらはぎがパンパン。
最近、足の血管が浮いて見えるようになって不安でしたが、目黒外科で診てもらい、仕事に支障のない日帰り治療を受けました。
今では夕方の重だるさがなくなり、仕事にも集中できるようになりました。」30代女性・パティシエ
よくある質問(FAQ)
Q1. 静脈瘤があると仕事は続けられませんか?
A1. 症状に応じて治療法を選べば、仕事を続けながら改善できます。日帰り手術後も翌日からお仕事可能です。
Q2. 着圧ソックスは毎日使っても大丈夫?
A2. はい。毎日の着用がむしろ効果的です。できれば日中の活動時間に履くのがベストです。
Q3. どのタイミングで受診すべき?
A3. 「血管が浮いてきた」「足が重い」「湿疹が治らない」などの症状があれば、一度専門医にご相談ください。
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まとめとご案内
パティシエとして働くあなたの足は、日々の立ち仕事によって大きな負担を受けています。
静脈瘤のリスクは高いですが、適切な対策と早期の対応で予防・改善が可能です。
足に違和感を覚えたら、お一人で悩まず専門クリニックへご相談ください。
あなたの足のお悩み、専門医が丁寧にお応えします。