
「下肢静脈瘤を放置すると足が壊死するのでは?」と心配される方が時々いらっしゃいます。しかし、ご安心ください。下肢静脈瘤が原因で足が壊死することはありません。この記事では、下肢静脈瘤と壊死の違い、放置した場合のリスク、治療法について詳しく解説します。
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流して血管が拡張する疾患です。これにより、足の血管がボコボコと浮き出たり、膨らんだりします。主な原因として、以下の要因が挙げられます。- 長時間の立ち仕事(飲食業・美容師・販売業など)
- 遺伝的要因(親が下肢静脈瘤の場合、子供も発症しやすい)
- 妊娠・加齢(女性は妊娠中にホルモンの影響で発症しやすい)
下肢静脈瘤を放置するとどうなる?
1. 皮膚の色素沈着・かゆみ・炎症
下肢静脈瘤を放置すると、足の血流が悪くなり、皮膚が茶色っぽく変色(色素沈着)することがあります。また、炎症を起こし、かゆみを伴うこともあります。
2. 皮膚潰瘍(難治性潰瘍)
特に長時間立ち仕事をしている方(飲食業・販売業などの男性に多い)は、皮膚潰瘍を発症するリスクが高まります。静脈の血流が悪くなることで、皮膚が脆弱になり、ちょっとした傷が治りにくくなり、潰瘍に進行することがあります。
3. 血栓(深部静脈血栓症)
まれにですが、長期間放置すると血栓ができることがあり、血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症を引き起こす可能性があります。特に長時間座りっぱなしの生活を送っている方は注意が必要です。
下肢静脈瘤で足が壊死することはあるのか?
壊死とは、血流が完全に途絶えて組織が死んでしまう状態を指します。壊死が起こるのは主に動脈の病気であり、下肢静脈瘤とは関係ありません。壊死の原因として考えられるのは以下のような疾患です。
- 重度の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)
- 糖尿病による末梢血流障害
- 重度の外傷(凍傷や圧迫による血流障害)
下肢静脈瘤の治療方法
1. 弾性ストッキングの着用
軽度の下肢静脈瘤には、医療用弾性ストッキングの着用が効果的です。血流を促進し、症状の進行を防ぐ効果があります。2. 硬化療法(注射治療)
軽度〜中等度の静脈瘤には、薬剤を注射して静脈を閉じる「硬化療法」が有効です。特に細い血管の静脈瘤やクモの巣状静脈瘤に適しています。3. カテーテル治療(レーザー・ラジオ波・グルー治療)
進行した下肢静脈瘤には、カテーテルを使った治療が主流です。- 血管内焼灼術(レーザー・ラジオ波): 静脈を内部から熱で焼いて閉じる治療
- 血管内塞栓術(グルー治療): 接着剤を用いて静脈を閉じる治療
まとめ:下肢静脈瘤は治療できる!
✅ 下肢静脈瘤は壊死を引き起こす病気ではないので安心してください。✅ ただし、放置すると皮膚潰瘍や色素沈着などのリスクがあります。
✅ 早めの治療が重要で、日帰り治療が可能なレーザーやグルー治療がおすすめです。
もし、下肢静脈瘤の症状が気になる方は、お早めに専門の医療機関を受診してください。
📍 目黒外科では、切らない・縫わない最新治療を提供しています。 → 詳しくはこちら:目黒外科公式サイト
