【医師監修】下肢静脈瘤で足が壊死する?放置によるリスクと治療法を解説
「下肢静脈瘤を放置すると足が壊死するのでは?」と心配される方が時々いらっしゃいます。ご安心ください。下肢静脈瘤が原因で足が壊死することはありません。
この記事では、次の3点を中心に解説します:
- 下肢静脈瘤と壊死の違い
- 下肢静脈瘤を放置した場合のリスク
- 症状に応じた最新の治療法
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流して血管が拡張する疾患です。これにより、足の血管がボコボコと浮き出たり、膨らんだりします。
主な原因:
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、放置すると皮膚や血管に深刻なダメージを与える可能性があります。
下肢静脈瘤を放置するとどうなる?
1. 皮膚の色素沈着・かゆみ・炎症
血流が滞ることで皮膚が茶色っぽく変色(色素沈着)し、炎症やかゆみが出ることがあります。
2. 皮膚潰瘍(難治性潰瘍)
特に立ち仕事の多い方(飲食業・販売業など)はリスクが高く、傷が治りにくくなり慢性的な潰瘍へと進行することがあります。
3. 血栓(深部静脈血栓症)
ごくまれに血栓ができて肺に飛び、肺塞栓症を起こすこともあります。長時間のデスクワークや移動が多い方は注意が必要です。
下肢静脈瘤で足が壊死することはあるのか?
壊死とは血流が完全に途絶えて組織が死んでしまう状態であり、主に動脈の障害によって起こります。下肢静脈瘤は静脈の病気であり、直接壊死に至ることはありません。
壊死を引き起こす代表的な疾患:
- 重度の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)
- 糖尿病による末梢血流障害
- 重度の外傷(凍傷や圧迫など)
つまり、下肢静脈瘤が壊死の直接原因になることはありませんので安心してください。
下肢静脈瘤の治療方法
1. 弾性ストッキングの着用
軽度の静脈瘤に効果的で、血流改善と進行予防が期待できます。
2. 硬化療法(注射治療)
細い静脈瘤やクモの巣状静脈瘤に適した治療で、外来で短時間に行えます。
3. カテーテル治療(レーザー・ラジオ波・グルー)
進行例に対しては、日帰りで行える以下の治療法が主流です:
これらは体への負担が少なく、傷跡もほとんど残りません。
よくある質問(FAQ)
- Q. 下肢静脈瘤は放置しても大丈夫ですか?
- A. 放置すると皮膚炎・潰瘍・血栓のリスクがあるため、早期の診察が重要です。
- Q. 静脈瘤で足が壊死することはありますか?
- A. いいえ。壊死するのは主に動脈による病気であり、静脈瘤が直接原因になることはありません。
- Q. 治療は痛いですか?仕事は休む必要がありますか?
- A. カテーテル治療は鎮静剤で眠っている間に局所麻酔で行いますので、痛みは感じません。「日帰り手術」と聞くと朝早く病院に行って手術を行い夜帰って来るイメージがありますが、半日で終わる通院治療です。翌日から仕事復帰できます。
まとめ:下肢静脈瘤は早期治療で改善できます
- ✅ 下肢静脈瘤で壊死が起こることはありません
- ✅ ただし、放置すると皮膚潰瘍や血栓のリスクがあります
- ✅ 通院でで受けられる最新治療法があり、生活への支障も最小限です
症状が気になる方は、早めに専門医へご相談ください。
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この記事は、下肢静脈瘤専門医 齋藤陽(目黒外科 院長)の監修のもと執筆されています。
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