「下肢静脈瘤で足が壊死すると聞いたのですが・・・」
時々このようなご質問を受けることがあります。
下肢静脈瘤は、足の静脈が拡張し、うねったり膨らんだりする病状です。多くの方が美容的な問題として気にされることが多いですが、実は放置すると足の皮膚に潰瘍ができることがあります。
しかし、ご安心ください。
下肢静脈瘤が原因で足が壊死することはありません。
下肢静脈瘤とは何か?
下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液がうまく心臓に戻らず、足の静脈に血液がたまることで起こります。これが原因で静脈が拡張し、見た目にもわかるような状態になります。立ち仕事を長時間行う方や、妊娠中の女性、遺伝的な要素がある方など、さまざまな要因で発症することがあります。
下肢静脈瘤の合併症
下肢静脈瘤を放置すると足の皮膚に
潰瘍ができることがあります。これは、静脈の血流が悪くなるためです。潰瘍ができやすいのは男性で、飲食業など長時間立ちっぱなしのお仕事をされている方が圧倒的に多いです。下肢静脈瘤による皮膚潰瘍は治療に時間がかかりますが、下肢静脈瘤に対して治療を行えば完治することがほとんどです。
足が壊死することはあるのか?
下肢静脈瘤が原因で足が壊死することはありません。壊死とは、組織が死んでしまうことを指しますが、これは主に動脈の問題や重度の糖尿病、重大な外傷などが原因で起こります。下肢静脈瘤は静脈の問題であり、直接的には壊死にはつながりません。
下肢静脈瘤の治療
下肢静脈瘤の治療には、弾性ストッキングの着用、硬化療法(注射による治療)、手術(カテーテルによる血管内焼灼術・グルーによる血管内塞栓術)などがあります。症状の程度や患者さんの状態に応じて、最適な治療法が選択されます。早期に治療を始めれば、早めに潰瘍が治りますし、悪化を未然に防ぐことができます。
まとめ
下肢静脈瘤は見た目の問題だけでなく、放置すると足の皮膚に潰瘍ができる可能性があります。しかし、足が壊死することはありませんので、その点はご安心ください。もし下肢静脈瘤の症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。