「膝の裏側にクネクネした血管が浮き出てきたんだけど・・・」
これは下肢静脈瘤という病気です。
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤とは、下肢(足)の静脈が瘤(こぶ)状になった状態を言います。
なぜこのような下肢静脈瘤ができるのでしょうか?
下肢静脈瘤の原因
下肢静脈瘤がなぜ発生するのかを説明する前に、まずは足の血液の流れについて説明いたします。血液は心臓から全身に送り届けられます。血液は動脈という血管を通って全身の隅々まで送り届けられます。
反対に全身の隅々まで生き渡った血液は静脈という血管を通って心臓に戻ります。
足の先まで届けられた血液は足の静脈を通って心臓に戻ります。
この時、血液は地球の重力に逆らって心臓に向かって流れていきます。
そのためには呼吸の力が必要です。
ストローでジュースを飲むときのことを想像してみてください。
息を吸うとジュースが吸い上げられていくように、血液も上に向かって吸い上げられていきます。
反対に、息を吐くときには血液は下に戻ってしまいます。しかし、血液が下に向かって流れてしまうと心臓には戻れなくなります。
そこで、足の静脈には血液が下に流れないようにするための仕組みがあります。
これが静脈弁です。
静脈弁は上にだけ開く扉で、血液を上には流れるようにしますが、下には流れないようにします。
この静脈弁のおかげで血液は呼吸の力によって上にだけ一方通行で流れていくことができるのです。
ところが、様々な原因によってこの静脈弁がきちんと閉じなくなってしまうのです。
その主な原因は
- 立ち仕事
- 妊娠
- 遺伝
静脈弁がきちんと閉じなくなってしまった結果、足の静脈の血液が心臓の方へは流れず、重力で逆流してしまいます。
静脈は下水管のようなものですので、静脈を流れる血液は老廃物で汚れた血液です。
静脈内で血液が逆流して滞ってしまうと、汚れた血液が足の静脈内にとどまってしまうので
- 足のだるさ
- 足のむくみ
- 足のこむら返り
それだけでなく、心臓に血液を戻さなくてはなりませんので、弁がダメになって逆流している静脈から正常な静脈に血液を誘導するため、迂回路としての血管を作る必要があります。
それが静脈瘤なのです。
見た目は悪い静脈瘤ですが、足の静脈内にたまってしまった血液を何とかして心臓に戻すために人体が考えて導き出した解決策が下肢静脈瘤なのです。
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