飲食業は下肢静脈瘤に要注意!予防と改善策を専門医が解説
下肢静脈瘤とは?飲食業に多い理由
はじめに
飲食業に従事する方は、長時間の立ち仕事が日常です。しかし、このような立ち仕事は 下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)のリスクを高める可能性があります。下肢静脈瘤とは、血液がスムーズに心臓へ戻らなくなり、脚の血管が拡張してコブのようになる病気です。対応しないと徐々に悪化するため、正しい知識と予防策が重要です。本記事では、下肢静脈瘤の症状と飲食業での対策を紹介します。

下肢静脈瘤の画像
下肢静脈瘤の症状と悪化するサイン
- 脚のむくみ:長時間の立ち仕事の後に、足やふくらはぎがむくむ。
- 血管の浮き出し:脚の表面の曲がりくねった血管がくっきりと見える。
- 脚のだるさ・重さ:夕方になると脚が重く感じ、疲れやすくなる。
- かゆみや痛み:すねやくるぶし付近にかゆみやジンジンした痛みが出る。
- 夜間のこむら返り:明け方や起床時に足が痙攣(けいれん)しやすくなる。
放置すると皮膚の色が変わったり、皮膚に穴があいて潰瘍になることもあります。重症化する前に適切な対策を取ることが重要です。

下肢静脈瘤が重症化するとうっ滞性皮膚炎のリスクがあります
飲食業に多い下肢静脈瘤のリスク要因
- 長時間同じ姿勢で立つ:仕込みから閉店まで脚に負担がかかり続けます。
- 休憩時間が少ない:脚を休める時間が取れないことで循環が悪化します。
- 狭いスペースでの作業:動きが制限される環境ではふくらはぎのポンプ機能が低下します。
当院を受診された患者さんのおよそ4割が飲食業の方であり、男性患者さんの約8割が飲食業従事者です。つまり、飲食業は下肢静脈瘤の職業リスクが非常に高いと言えます。
症状を予防・改善する5つの対策
- 適度に動く:こまめなつま先立ち・かかと上げ運動でふくらはぎの筋肉を使いましょう。
- 弾性ストッキングを着用:医療用の着圧ソックスで血流をサポートします。
- 脚を高くする休憩:椅子や台に足を乗せて血液を心臓に戻しやすくしましょう。
- マッサージで血行促進:足首から膝に向けた軽いマッサージが効果的です。
- こまめな水分補給:脱水を防ぎ、血液をサラサラに保ちます。
悪化した場合の治療法と対応
症状が進行してしまった場合は、自己判断せず、下肢静脈瘤の専門医を受診しましょう。早期であれば、日帰りで治療可能な選択肢もあります。
まとめ|働きながら足を守るために
飲食業のような立ち仕事は、下肢静脈瘤の大きなリスク因子です。日常のケアとして、足の運動・着圧ソックス・水分補給・休憩中の脚上げなど、できる対策から始めましょう。
違和感を感じたら早めに専門医へ。働きながら健康な足を守ることが、長く続けられる秘訣です。
よくあるご質問(FAQ)
- Q1. 飲食業で働いていますが、足のむくみがひどく下肢静脈瘤の可能性はありますか?
- A. あります。むくみや血管の浮き出しは初期症状の一つです。早期に専門医を受診することをおすすめします。
- Q2. 治療には仕事を休まなければなりませんか?
- A. 当院では日帰り手術が可能なため、多くの方が翌日から仕事に復帰されています。
- Q3. 弾性ストッキングは毎日着用すべきですか?
- A. 日中の立ち仕事時に着用することで予防効果が高まります。サイズの合ったものを選びましょう。
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