下肢静脈瘤治療の流れ|目黒外科|東京都品川区・目黒駅から徒歩30秒

Medical下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤治療の流れMedical

治療の流れをご説明いたします。

01. 初診

診察のお申し込みから診察までの流れをご説明します。

  1. お電話またはホームページで診察ご希望の日時をご予約ください。その際、保険証お忘れなく。
  2. 問診表にご記入いただいたのち、診察準備室で足の診察がしやすいよう診察用の半ズボンに着替えていただきます。
  3. 診察室では患者さんのお悩みの症状をよくお聞きします。
  4. 足の状態をよく観察します。
  5. 超音波検査により足の静脈の状態を検査します。
  6. イラストを用いて分かりやすく検査結果をご説明し、患者さんのお悩みやご希望に沿った治療方法を提案いたします。
  7. 手術を希望される患者さんには血液検査と心電図検査を受けていただきます。
  8. 手術当日の注意事項の説明と手術日程のご予約で終了となります。

02. 手術前の準備

手術当日のご来院から手術室入室までの流れをご説明します。

  1. 手術当日はお約束の時刻にご来院ください。
  2. 受付を済ませたら、手術準備室に入ります。
  3. 体温、血圧、脈拍などのバイタルサインを測定し、手術当日の体調を確認します。
  4. 手術2時間前までに食事を済ませていることを確認します。
  5. 化粧をしていると、手術中に患者さんの顔色が悪くなったことに気づきにくいため、化粧は落としてください。
    アクセサリーや腕時計を外していただきます。
  6. 手術用の服に着替えていただきます。紙製の短パンをご用意いたします。
  7. 静脈麻酔の投与量を決めるため、体重を測定します。
  8. 手術室に移動します。

03. 手術室と手術器具

手術に必要なお薬についてご説明します。
まず、輸液セット。手術開始前に抗生物質の点滴を行います。

ポンプで投与するのは静脈麻酔薬です。静脈麻酔によって眠っている間に手術を行うことができ、患者さんは痛みや不安を感じることなく手術を受けることができます。

続いて手術室の設備についてご説明します。
心電図モニターは患者さんの心拍数・血圧・酸素飽和度をモニタリングします。

手術中、患者さんに酸素投与をするための酸素ボンベ。

下肢静脈瘤の診断・治療に欠かせない超音波診断装置。

1470nmレーザーシステムによって下肢静脈瘤血管内焼灼術を行います。

TLA麻酔ポンプは患者さんの静脈周囲を麻酔する際に使用します。

手術に際しては様々な特殊な器具を使用します。

04 手術部位の確認

患者さんが手術室に入ってからの流れをご説明します。

  1. まず、手術部位の確認を行います。
  2. 焼灼する伏在静脈から派生した側枝型静脈瘤はstab avulsion法による静脈瘤切除術を行います。患者さんが手術ベッドに横になってしまうと静脈瘤は虚脱して見えにくくなってしまうため、あらかじめ立った状態でマーカーにより印を書きます。
  3. 超音波検査によってレーザー焼灼予定の伏在静脈の逆流を再度確認し、静脈の走行に沿って印をつけます。

05 静脈麻酔

患者さんが手術ベッドに横になってからの流れをご説明します。

  1. 血圧・心電図・酸素飽和度を測定する機器を装着し、バイタルサインを測定します。
  2. 腕に点滴をし、抗生物質を投与します。腕の静脈が見えにくい場合でも超音波検査により静脈の位置を正確に確認することができ、安全に点滴をすることができます。
  3. このあと静脈麻酔により患者さんは眠りにつきますが、その前に安全ベルトで手を固定します。
  4. 静脈麻酔の際に呼吸抑制がおきて酸素飽和度が低下することがあるため、酸素吸入を開始します。
  5. 静脈麻酔を開始します。
  6. 患者さんが眠りにつく間に患者さんの体の向きを手術しやすいように準備します。
  7. 手術部位を消毒して手術の準備が整ったらいよいよ手術開始です。

06 ガイドワイヤー挿入

  1. 手術開始時の手順についてご説明します。
  2. 焼灼する予定の静脈を超音波診断装置により画面に描出します。
  3. カテーテル挿入部位を決定し、皮膚の表面に局所麻酔の注射をします。
  4. 留置針で静脈を穿刺し、超音波診断装置の画面を見ながら針を進めていきます。
  5. 留置針の内筒を抜き、血液の流出により静脈内に針が留置されたことを確認します。
  6. ガイドワイヤーを静脈内に挿入し、ガイドワイヤーが静脈内に入ったことを超音波診断装置により確認します。

07 レーザーカテーテル挿入

レーザーカテーテル挿入までの流れをご説明します。

  1. ガイドワイヤーに沿わせてシースと呼ばれる留置針を静脈内に挿入します。
  2. レーザーカテーテルを用意します。
  3. レーザーカテーテルを、レーザー発生装置に接続します。
  4. カテーテルの先端に赤いガイド光が点灯します。
  5. カテーテルをシース内に挿入します。ガイドの赤い光が皮膚を通して透けて見えるので、カテーテルの先端位置がどこにあるかが分かります。
  6. カテーテルを進めていき、超音波診断装置を見ながらカテーテルを大伏在静脈の終点であり大腿静脈との合流部であるSFJと呼ばれる位置まで挿入します。

08 TLA麻酔

  1. カテーテルが正しい位置まで挿入されたことを確認したら、皮膚と大伏在静脈の周囲に局所麻酔の注射をします。
  2. 通常の局所麻酔薬を生理食塩水で薄めて広範囲に注射します。これをTLA麻酔と呼びます。短時間に大量のTLA麻酔薬を注射できるよう、TLA麻酔ポンプという機械を使用します。
  3. TLA麻酔を行う際は患者さんの頭を下げるようにします。足の方が高くなることで静脈内の血液が上半身に移動し、虚脱します。静脈とカテーテルの距離が近くなるため、静脈の焼灼がしやすくなります。また、静脈と周囲組織の間にスペースができることで、カテーテルによる熱の影響を和らげる効果があります。

09 血管内焼灼

  1. TLA麻酔が終わるといよいよレーザーカテーテルによる血管内焼灼を行います。
  2. レーザー発生装置のスタンバイボタンを押します。
  3. レーザー光線から目を保護するためのサングラスをかけます。
  4. フットペダルを踏み、焼灼を開始します。
  5. 静脈の焼灼は超音波診断装置を見ながら行います。
  6. レーザーによる熱で血液の沸騰する様子(スチームバブル現象)が観察されます。
  7. レーザーカテーテルをゆっくり移動させながら静脈を焼灼していきます。
  8. 焼灼した静脈は閉塞し、血液の逆流がなくなります。

10 静脈瘤切除

  1. レーザー焼灼術が終わると、次に皮膚表面に観察される静脈瘤を切除します。
  2. マーカーで印をつけておいた静脈瘤の周囲にTLA麻酔を注射します。
  3. 注射針で皮膚に穴をあけます。
  4. 特殊な静脈フックを皮膚の穴に挿入し、静脈瘤を引っかけます。
  5. フックに引っかかった静脈瘤をゆっくり引き抜いてきます。途中で静脈瘤がちぎれてしまったら別の場所に注射針で穴をあけて再度静脈フックを挿入します。この操作を繰り返します。
  6. 出血を止めるため、傷口を細い糸で縫合して手術を終了します。

11 手術後の処置

  1. 手術が終了したら傷口を消毒し、傷口に絆創膏を貼ります。
  2. 皮膚に注射した針穴からTLA麻酔液が漏れてくるため、ガーゼを当てて足全体に弾性包帯を巻きます。
  3. 弾性包帯のずり落ちを防ぐため、太ももにサポーターを、膝下には弾性ストッキングを履きます。
    そのうちに患者さんは目を覚まします。
  4. 患者さんは起き上がり、手術ベッドに座ります。ここで、十分に覚醒していること、血圧などのバイタルサインに異常がないことを確認します。
  5. 問題がなければ立ち上がり、回復室まで歩いて移動します。
  6. 回復室で15-30分程度お休みいただき、ふらつきや眠気がないこと、包帯に血液がしみだしていないか、などを確認したらお着替えをしていただきます。
  7. お会計と次回の診察の予約をしてご帰宅となります。

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