【Q&A】下肢静脈瘤を放置するとどうなるの?
「下肢静脈瘤を治療しないで様子を見ていた場合、どうなりますか?」というご質問をいただきました。
放っておいてもあまり変わらないタイプと、徐々に進行するタイプの2種類のタイプがあります。
タイプ1:放っておいてもあまり変わらないタイプ
くもの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤です。
くもの巣状静脈瘤は、皮膚の直下、真皮と呼ばれる層を走る直径0.1~1mmの毛細血管です。
網目状静脈瘤は直径2mm以下の毛細血管です。
一般的に、時間の経過とともにくもの巣状静脈瘤(網目状静脈瘤)が多少増えることはあります。
しかし、くもの巣状静脈瘤(網目状静脈瘤)を放置したからといって、これが大きくなることはありません。
タイプ2:放っておくと進行するタイプ
伏在型静脈瘤や側枝型静脈瘤は何も治療しないと年月とともに大きくなっていきます。
静脈瘤が大きくなり、範囲も拡大するので、見た目が悪くなります。
外見的な問題だけでなく、足がつったり、だるさを感じるようになります。
この状態が静脈瘤の第2段階です。
さらに進行すると足がむくむようになります。
この状態が静脈瘤の第3段階です。
ここからさらに静脈瘤が進行すると、皮膚に変化が生じてきます。
まず、足の皮膚が黒ずんできます(色素沈着)。
湿疹やかゆみも出現します。静脈瘤が原因の湿疹は、かゆみ止めの薬を塗ってもなかなか治らないのが特徴です。
皮膚が固くなり、ジンジンと痛くなります。これを皮膚脂肪硬化といいます。
これらの皮膚のトラブルを総称して「うっ滞性皮膚炎」と言います。
うっ滞性皮膚炎は、下肢静脈瘤の第4段階です。
第4段階になってから下肢静脈瘤の治療を始めても、色素沈着は消えてくれません(多少薄くなることはありますが)。
できるだけ第3段階までに治療を開始することをお勧めします。
そして、下肢静脈瘤を放置してしまった場合、最終的には皮膚が潰瘍になってしまいます。
このような状態になってしまうと、傷口から細菌感染を起こす危険性があるため、すぐに治療しないといけません。
このようなひどい状態になる前に医療機関を受診しましょう。