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2017.02.27 わかりやすい下肢静脈瘤の教科書

静脈瘤って何?

記事執筆Author

目黒外科 院長 齋藤 陽(あきら)

目黒外科 院長
齋藤 陽(あきら)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医、指導医

詳しいプロフィール

静脈瘤って何?

このブログをご覧いただいたみなさん、こんにちは! 目黒外科院長の齋藤と申します。

これからこのブログを通じて下肢静脈瘤でお悩みの方に役立つ情報をお届けできるよう、情報を発信していていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、記念すべき第1号の記事は「静脈瘤って何?」です。

足の表面に見える静脈がコブのように膨れたもの静脈瘤といいます。

体の表面に見える血管は、すべて静脈という血管です。

 

 

また、足の毛細血管が目立つものも静脈瘤といいます。

動脈瘤とは違うの?

ここで、「静脈瘤」と「動脈瘤」を混同されている方がとても多いのでご説明します。

「静脈瘤」と「動脈瘤」は名前が似ていますが、全く別の病気です。

血管には「動脈」と「静脈」の2種類あります。

「動脈」は全身に栄養や酸素を届けるとても大事な血管です。

手首を触ってみるとドクンドクンと脈を触れると思いますが、動脈は静脈と違って血圧が高いので、傷つくと短時間で大量の出血をしてしまいます。そのため動脈はできるだけ深いところ、つまり体の中心部を走っています。したがって、動脈は体の表面からは見えません。

反対に「静脈」は体から生じたゴミ(老廃物)を運ぶ下水管のような働きをする血管です。

体の表面に青く見える血管はすべて静脈です。

静脈は血圧が非常に低いので、傷ついても圧迫すれば出血は止まります。

病気の原因も異なります。

静脈瘤が立ち仕事・遺伝・妊娠・出産などによって静脈の中にある弁がダメになり、血液が重力で足にたまってしまうことで発生するのに対して、動脈瘤の主な原因は動脈硬化です。

高血圧や脂質異常症、糖尿病などにより動脈が硬くなり弾力を失っていくこと。これが「動脈硬化」です。いわば動脈の老化現象です。

動脈が弾力を失うことはゴムホースが伸び縮みできなくなることと同じです。しかし血圧は高いとどうなるか。日常的に高い血圧にさらされている動脈は少しずつ大きく引き伸ばされていきます。

長い年月かけて少しずつ大きくなっていきます。

そして動脈が瘤のように大きくなった状態が「動脈瘤」です。

動脈瘤が破裂すると命に関わりますが、静脈瘤はケガでもしない限り破裂することは滅多にありませんのでご安心ください。

ご自身の足をご覧になって、「静脈瘤かな?」と思われた方はどうぞお気軽にお電話ください。

下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」

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