クモの巣状静脈瘤の治療にはフォーム硬化療法が効果的
クモの巣状静脈瘤の治療にはフォーム硬化療法が効果的
みなさんこんにちは。目黒外科院長の齋藤です。
本日は硬化療法についての記事です。
クモの巣状静脈瘤
クモの巣状静脈瘤は、皮膚の真下「真皮」と呼ばれる層を走る直径0.1~1mmの毛細血管です。
太もも・ひざ・すね・ふくらはぎに赤や紫色の毛細血管として見られます。
クモの巣状静脈瘤の部分に時おりピリピリとした痛みを訴える方がいらっしゃいますが、基本的には無症状です。
ほとんどが見た目の問題です。
クモの巣状静脈瘤のせいで見た目が気になり、「スカートがはけない」「水着を着れない」「温泉に行けない」など、悩んでおらっしゃる女性は少なくありません。
クモの巣状静脈瘤の治療法
クモの巣状静脈瘤は直径0.1~1mmと非常に細いので、メスで切って切除するというわけにはいきません。
そこで、硬化療法を行います。
硬化療法とは
硬化療法とは、静脈瘤の中に「硬化剤」という薬を注射して、炎症を起こした静脈を圧迫することでペチャンコにする治療方法です。
硬化療法は「硬化剤」を直接静脈瘤に注射するのですが、液体の硬化剤をそのまま注射器で注入するわけではありません。
硬化剤を空気と混ぜ合わせて、カフェラテを飲むときのミルクフォーム(泡状になったミルク)のように泡状にします。
これを「フォーム硬化療法」といいます。
フォーム硬化療法
1.空気と混ぜると容積が増すので少量の硬化剤で治療ができる
2.液状の硬化剤と比べると、泡は静脈とよく絡むので効果的
3.注射する箇所が少なくて済む
4.血栓性静脈炎をおこしにくい
フォーム硬化療法のやり方
静脈瘤に細い注射針を刺して硬化剤を注入します。
患部をガーゼで圧迫し、その上から弾性ストッキングを着用します。
圧迫は2日間必要です。2日経過した後は日中だけ弾性ストッキングを着用します(夜は脱いでも良い)。
弾性ストッキングは2週間から1か月着用します。
静脈瘤は硬化剤による化学的刺激で静脈の内側が障害され炎症を起こします。炎症をおこした部分はしこりのように硬くなり、半年くらいかけて少しずつ消えていきます。
いかがでしたでしょうか?
クモの巣状静脈瘤で見た目が気になっていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
フォーム硬化療法について、さらに詳しく知りたいという方はこちらをお読みください。
https://meguro-geka.jp/matome/archives/9