下肢静脈瘤の診断が可能な病院・科目
最近はメディアで取り上げられるようになり「下肢静脈瘤」という言葉を聞いたことがあるという方は増えてきました。しかし、依然として患者さんから「どこの病院に行けばよいか、何科にかかればよいか分からなかった」というご意見をよく耳にします。
下肢静脈瘤の診療している診療科目は心臓血管外科、外科、消化器外科、形成外科、皮膚科、放射線科など多岐にわたります。ではこれらの診療科目がある病院なら下肢静脈瘤の治療ができるのかというと、そうとも限りません。
最新のレーザーや高周波カテーテルによる血管内焼灼術は「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施施設」に認定されていなければ行うことができません。
血管内焼灼術の実施施設に認定されておらず、治療方法の選択肢がストリッピング手術しかないという病院も多いので確認が必要です。
病院のホームページで診療内容に下肢静脈瘤と書いてあっても、ホームページが古い内容のまま更新されておらず、現在は診療できる医師がいないということもありますので、病院を受診する前に電話で問い合わせたほうがよいでしょう。
当院もそうですが、下肢静脈瘤日帰り手術を専門としたクリニックは全国的に増えています。一般的には医師もスタッフも下肢静脈瘤の治療には慣れていると考えられます。
ではどこの医療機関にかかればよいのか?
一番信頼性の高い情報は、下肢静脈瘤の治療を受けた方からの口コミでしょう。
<信頼できる医師に出会うためのポイント>
1.話をよく聞いてくれる
ご自身の体のことですので、些細な質問だと思っても、遠慮せず医師に質問しましょう。説明に納得していないのに治療を受けてしまうと、術後経過が思わしくない場合トラブルになることがあります。
2.超音波検査で静脈の逆流していることを見せてくれる
受診した医療機関でやたらと手術を勧められ、説明に納得いかないので診てほしいと当院を受診される患者さんがいます。
「あなたの静脈は太さが4mmあります。これが下肢静脈瘤です。手術が必要です」
「静脈の太さが2mm以上あります。手術が必要です」
だいたいこのパターンです。改めて超音波検査を行うと、血液の逆流は認められません。
血液の逆流がなければ血管内焼灼術の必要はありません。
3.手術実績をホームページに載せている
もしホームページに手術実績の掲載がなければ、医師に質問してみましょう。
4.学会発表をしている
学会で治療結果を公表して第三者から評価を受けることは、治療のレベルを高める努力の姿勢を示すものです。
5.無料説明会に参加してみる
インターネットを調べると多くの医療機関が無料説明会を行っています。医師やスタッフの人となり、院内の雰囲気などを実際にご覧になるとよいと思います。複数のクリニックに行ってみて比較検討されるのがよいと思います。やたらと手術を勧めてくるようなところはやめましょう。
6.カテーテルの使い回しにご注意!
血管内焼灼術にはレーザーカテーテルと高周波カテーテルの2種類があります。これらのカテーテルは注射針などと同じで使い捨てです。使用は一度きりです。一人の患者さんに使用したカテーテルを他の患者さんにも使用するなどあってはならないことです。レーザーカテーテルは一度使用するとほかの患者さんに使用できない構造になっています。