【専門医監修】下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎とは?画像でわかる症状と治療法 | 目黒外科

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2024.03.14

【専門医監修】下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎とは?画像でわかる症状と治療法

記事執筆Author

目黒外科 院長 齋藤 陽(あきら)

目黒外科 院長
齋藤 陽(あきら)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医、指導医

詳しいプロフィール

【専門医が画像で解説】下肢静脈瘤が引き起こすうっ滞性皮膚炎とは?症状・原因・治療法まとめ

ふくらはぎに起こる皮膚のかゆみや赤み、硬化や黒ずみといった症状に悩まされていませんか?それ、単なる皮膚トラブルではなく、下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎の可能性があります。本記事では、下肢静脈瘤がうっ滞性皮膚炎を引き起こす仕組みから、よくある症状、適切な治療法まで、28年の臨床経験を持つ専門医の視点で詳しく解説します。

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は、足の静脈内にある弁が壊れることで血液が逆流し、血管が拡張・蛇行する病気です。血液が心臓に戻りにくくなり、足の重だるさ、むくみ、こむら返りといった不快な症状が現れます。

美容師や調理師など長時間の立ち仕事、事務職など長時間のデスクワーク、さらには遺伝妊娠加齢なども発症リスクを高めます。

うっ滞性皮膚炎とは?

下肢静脈瘤が進行すると、静脈の血液の渋滞(うっ滞)が悪化し、皮膚の栄養障害や炎症が発生します。これが「うっ滞性皮膚炎」です。特に膝から下に出やすく、次のような症状がみられます。

色素沈着:ふくらはぎや足首が黒ずむのは血流障害のサインかも

うっ滞性皮膚炎が進行すると、ふくらはぎや足首に黒ずみや茶色いシミのような変色が見られることがあります。これは、慢性的に血液が足に滞り、赤血球から漏れ出した鉄分(ヘモジデリン)が皮膚の内部に沈着することで起こります。皮膚表面からは見えない静脈の異常が、見た目にもはっきりと現れてくる状態です。

医師の視点から見ると、「足の色素沈着」は下肢静脈瘤の中でも重症化が進んでいるサインと捉えるべきです。この段階では、皮膚そのもののバリア機能が低下し、炎症や潰瘍が起きやすい状態になっています。患者さんの中には、変色を「日焼け」や「シミ」と思い込んで放置してしまうケースもありますが、単なる美容上の問題ではなく、静脈の疾患による病的な皮膚変化です。

【患者さんの声】
「最初は“年齢のせいかな”と思っていました。でも、ふくらはぎの内側が茶色くなってきて、どんどん範囲が広がって…。病院で診てもらったら、静脈瘤の悪化が原因とわかって、びっくりしました」(50代・女性)

「ふくらはぎの黒ずみ」「足の皮膚が茶色い」「足の色素沈着」などで検索される方の多くが、この症状で悩んでいます。色素沈着が現れた時点で、血流障害はすでに長期化している可能性が高いため、早期の医師による評価と治療が重要です。

湿疹・かゆみ:静脈のうっ滞がもたらす初期症状に注意

うっ滞性皮膚炎でよく見られるのが、湿疹やかゆみといった皮膚トラブルです。足の静脈に血液がうっ滞すると、皮膚の栄養状態が悪化し、乾燥や炎症を引き起こしやすくなります。その結果、ふくらはぎや足首まわりにカサカサとした湿疹が現れ、かゆみを伴うようになります。

かゆみを感じて掻いてしまうことで、皮膚はさらに傷つき、症状が悪化する悪循環に陥ることもあります。医師としての経験から言えるのは、「ただの乾燥肌」と思って放置せず、かゆみや湿疹が続く場合は早めに専門医を受診することが重要だということです。

【患者さんの声】
「最初は乾燥してるだけかと思って市販の保湿クリームを塗っていたのですが、かゆみがどんどん強くなって夜も眠れなくなりました。診てもらったら、下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎とのことで驚きました」(50代・女性)

こうした「ふくらはぎのかゆみ」「足首の湿疹」「足の皮膚炎」といった症状が気になる方は、うっ滞性皮膚炎の可能性を疑い、皮膚だけでなく血流の異常にも目を向けることが大切です。

皮膚の硬化:ふくらはぎの皮膚がごわごわ硬くなるのは下肢静脈瘤のSOSサイン

うっ滞性皮膚炎が進行していくと、ふくらはぎや足首まわりの皮膚がごわつき、弾力を失って硬くなることがあります。これは、慢性的な炎症によって皮膚の深い層にまでダメージが及び、「皮膚脂肪硬化症」と呼ばれる状態へ進行しているサインです。

医師の立場から見ても、皮膚の硬化は下肢静脈瘤による血流障害がかなり進行している証拠であり、放置すると傷の治りが悪くなったり、皮膚潰瘍のリスクが高まるため、注意が必要です。硬くなった皮膚は柔軟性を失っているため、ちょっとした刺激でも炎症やかゆみ、痛みにつながることがあります。

【患者さんの声】
「最近、足首のまわりがパンパンに張って、皮膚がカチカチに硬くなってきたんです。最初はむくみかと思っていたんですが、クリームを塗っても全然柔らかくならなくて…。病院で“血流の問題”と聞いて驚きました」(60代・男性)

皮膚が硬く感じられる時点で、血液の循環はかなり悪化している可能性があるため、我慢せず専門医にご相談ください。

皮膚潰瘍:かゆみや外傷から始まる“治りにくい足の傷”にご注意を

うっ滞性皮膚炎が重症化すると、すねや足首周辺の皮膚に潰瘍(かいよう)ができることがあります。これは、「ただの湿疹」や「虫刺され」と思って掻いていた部位が、皮膚のバリア機能低下と血流障害により修復できず、皮膚がえぐれてしまう状態です。

医師の視点から言えば、これは下肢静脈瘤による血液の逆流・うっ滞が限界を超えたサインです。とくに「ちょっとした擦り傷がなかなか治らない」「何ヶ月も同じ場所にかさぶたができては剥がれる」という場合、皮膚潰瘍の初期であることも少なくありません。

【患者さんの声】
「最初はかゆくてかいてただけなんですが、だんだん傷になって、赤黒くじゅくじゅくしてきました。市販の薬では治らず、病院で“静脈の流れが原因です”と言われて驚きました」(70代・女性)

足にできた傷がなかなか治らないといった症状でお悩みの方は、放置せず早期に専門医の診察を受けることが重要です。皮膚潰瘍は自然に治癒することが難しく、適切な血流改善治療がなければ、感染症を引き起こしてしまうこともあります。

うっ滞性皮膚炎の治療法

進行を防ぐためには、原因である静脈の血流障害を改善する必要があります。以下のような治療法が行われます。

  • 圧迫療法:医療用の弾性ストッキング(着圧ソックス)で足を圧迫し、血液の滞留を軽減します。
  • 血管内焼灼術(カテーテル治療):レーザーや高周波を使って、逆流する静脈を内側から閉塞させる治療法です。切開不要で、日帰り手術が可能です。
  • 血管内塞栓術(グルー治療):医療用接着剤を用いて静脈を閉塞する治療。麻酔も少なく、術後の圧迫も短時間で済みます。

まとめ|早期治療で進行を防ぎましょう

うっ滞性皮膚炎は見た目の問題だけでなく、放置すれば皮膚潰瘍や慢性的な痛み・かゆみへと進行する可能性もある深刻な疾患です。症状が軽いうちに適切な診断と治療を受けることで、重症化を防ぎ、皮膚の健康と足の快適さを取り戻すことができます。

この記事を監修した目黒外科 院長・齋藤陽は、下肢静脈瘤治療歴28年、手術実績8500件以上を誇る専門医。外科専門医・脈管専門医・血管内焼灼術実施医・指導医として、すべての患者さまに合った最善の治療を提供しています。

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