下肢静脈瘤による皮膚の黒ずみ・かゆみ・潰瘍に注意|専門医が症状と治療法を解説 | 目黒外科

Medical下肢静脈瘤のすべて

2025.03.27

下肢静脈瘤による皮膚の黒ずみ・かゆみ・潰瘍に注意|専門医が症状と治療法を解説

記事執筆Author

目黒外科 院長 齋藤 陽(あきら)

目黒外科 院長
齋藤 陽(あきら)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医、指導医

詳しいプロフィール

 

足のかゆみや皮膚の黒ずみは要注意!下肢静脈瘤とうっ滞性皮膚炎の関係を専門医が詳しく解説

足の血管がボコボコと浮き出て見える、ふくらはぎがだるくて重い──そんな症状がある方は、下肢静脈瘤の可能性があります。さらに放置するとうっ滞性皮膚炎へと進行し、かゆみ・黒ずみ・皮膚潰瘍など深刻な皮膚トラブルを引き起こすこともあります。本記事では、下肢静脈瘤と皮膚炎のメカニズム、進行した場合の症状、専門的な治療方法まで、下肢静脈瘤治療歴28年の専門医が写真付きでわかりやすく解説します。

下肢静脈瘤とはどんな病気?

下肢静脈瘤は、足の静脈内にある逆流防止弁が壊れ、血液が逆流して血管が拡張・蛇行する病気です。重力に逆らって心臓に戻るはずの血液が足に滞り、次第に静脈が浮き出たり、血管がねじれたりするようになります。

下肢静脈瘤の仕組み

特に以下のような方に多く見られます:

  • 長時間立ち仕事をする方(美容師・販売員など)
  • デスクワークで座りっぱなしの方
  • 家族に下肢静脈瘤の既往がある方
  • 妊娠・出産を経験した方

下肢静脈瘤の代表的な症状

見た目の変化

  • ふくらはぎや太ももの血管がボコボコと浮き出る
  • クモの巣のような細かい血管が広がる(蜘蛛の巣状静脈瘤)

体感としての不調

  • 足がだるい・重い
  • 夕方になると足がむくむ
  • 夜間や明け方にこむら返り
  • 足のほてりやむずむず感

うっ滞性皮膚炎とは?静脈瘤から皮膚炎へ進行するリスク

うっ滞性皮膚炎とは、血液の滞留によって皮膚に栄養が届かなくなり、乾燥・かゆみ・炎症・変色が起きる慢性的な皮膚症状です。足の静脈瘤を放置した場合、皮膚表面に深刻な変化が現れることがあります。

うっ滞性皮膚炎の主な症状

  • 皮膚のかゆみ(市販薬が効きにくい)
  • 赤み・湿疹(慢性化しやすい)
  • 色素沈着(茶色や黒っぽく変色)
  • 皮膚の硬化(ゴワゴワして柔軟性がなくなる)
  • 皮膚潰瘍(治りにくく、悪化しやすい)

特にくるぶし〜すねの下部に症状が出やすいのが特徴です。

実際の写真で見る皮膚症状の進行

色素沈着


皮膚が茶色〜黒く変色するのは鉄の一種であるヘモジデリン沈着が原因です。静脈から漏れた血液中の鉄分が皮膚に溜まり、元に戻りにくい変色を引き起こします。

湿疹と掻き壊し


乾燥とかゆみにより掻きむしって悪化する方が多く、慢性的な湿疹状態になります。皮膚科で治らずに来院される患者様も少なくありません。

皮膚潰瘍(かいよう)

皮膚のバリア機能が崩れ、些細な傷が潰瘍化。感染リスクも高くなり、治療期間が長期化するケースもあります。

早期発見・早期治療がカギ

「見た目だけの問題だから」と軽く考えがちな静脈瘤ですが、皮膚炎・潰瘍に進行する前に治療することが大切です。当院では患者さまの症状とライフスタイルに合わせた最適な治療法を提案しています。

▶ こんな方はぜひご相談ください

  • かゆみが長く続いている
  • 足の皮膚が黒ずんできた
  • 皮膚科で治らない湿疹がある

▶ ご相談・診察予約はこちら:目黒外科公式サイト

この記事は、目黒外科 院長・齋藤陽が監修。下肢静脈瘤治療歴28年、手術実績8500件以上、外科専門医・脈管専門医・血管内焼灼術の指導医資格を有し、国内外から信頼される専門医として正確かつ実践的な医療情報をお届けしています。

ご予約・お問い合わせcontact / reservation

tel:03-5420-8080

受付時間
9:00〜13:00、14:00〜18:00
休診日
水・土・日(隔週)・祝