下肢静脈瘤の予防に!日常生活で避けたい4つの行動 | 目黒外科

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2025.03.29

下肢静脈瘤の予防に!日常生活で避けたい4つの行動

記事執筆Author

目黒外科 院長 齋藤 陽(あきら)

目黒外科 院長
齋藤 陽(あきら)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 脈管専門医
  • 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医、指導医

詳しいプロフィール

足がだるい、むくみがひどい、寝ている間にこむら返りが起きる──。そんな不快な症状に加え、血管が浮き出て見た目にも気になる「下肢静脈瘤」。命に関わる病気ではありませんが、生活の質を下げるやっかいな疾患です。

下肢静脈瘤を予防するためには、日常生活の中でのちょっとした心がけが大切です。今回は、静脈瘤を引き起こす原因になりやすい4つの習慣について、医師の立場から詳しく解説します。

【1】長時間同じ姿勢を続ける

オフィスワークや立ち仕事をしている方は要注意。同じ姿勢を長時間続けることが、下肢静脈瘤の大きな原因になります。

◆血流が滞りやすくなる

座りっぱなしや立ちっぱなしの状態が続くと、足に溜まった血液がうまく心臓に戻れず、足の静脈に圧力がかかります。

◆静脈弁の機能が低下する

足の静脈には逆流を防ぐ“弁”がありますが、圧力がかかりすぎるとこの弁が壊れやすくなります。すると、血液が逆流して静脈が膨らみ、ボコボコとした静脈瘤ができてしまうのです。

◆筋肉ポンプが働かなくなる

本来、歩いたり足を動かしたりすることで、ふくらはぎの筋肉が“ポンプ”のように働き、血液を押し上げてくれます。ですが、長時間同じ姿勢ではこの機能が弱まり、血流が滞ってしまいます。

筋肉ポンプの図解
▼予防のポイント

・1時間に1回は立ち上がってストレッチ
・エレベーターではなく階段を使う
・デスクワーク中も足首を動かす

【2】身体を締め付ける服の着用

見た目重視で体をギュッと締める服を着ていませんか? これも実は、下肢静脈瘤を招く原因のひとつです。

◆血液の流れを妨げる

ウエスト、太もも、ふくらはぎを強く締め付ける服装は、血管を圧迫し、血液の循環を悪化させます。

◆静脈弁に負担がかかる

血流が悪くなることで、静脈弁が逆流を防ぐ力も弱くなります。長時間の締め付けが続くと、弁が壊れてしまうリスクも。

◆特定の部位への圧迫が問題に

ガードルやタイトなデニム、キツいベルトなど、特定の部位を強く締めるアイテムには特に注意が必要です。骨盤周辺や太ももの血流が妨げられると、足全体の血液循環にも影響します。

締め付ける衣類のイメージ
▼予防のポイント

・締め付けすぎない服を選ぶ
・長時間着用は避ける
・仕事終わりは早めに着替えてリラックス

【3】ハイヒールの長時間使用

女性に多い原因として、ハイヒールの履きすぎも挙げられます。

◆筋肉ポンプの働きが弱くなる

ハイヒールを履くと、足首の動きが制限されてしまい、ふくらはぎの筋肉が十分に使われません。その結果、血液を押し上げる力が弱くなります。

ハイヒールと下肢静脈瘤
▼予防のポイント

・通勤時はスニーカーや低めのヒールに
・職場で履き替える習慣をつける
・オフの日は足を休める靴を選ぶ

【4】便秘による強いいきみ

意外かもしれませんが、排便時の「いきみ」も下肢静脈瘤の原因になります。

◆腹圧が血流に影響

強くいきむと腹圧が上がり、足の静脈に負担がかかります。これが習慣化すると、静脈が徐々に弱くなり、弁が壊れてしまう可能性も。

▼便秘解消で予防に!

・水分をしっかりとる
・食物繊維を意識して摂取
・軽い運動で腸を活性化

便秘と静脈瘤の関係
不安がある方は専門医へご相談を

これらの生活習慣に気をつけていても、遺伝や年齢、職業などによっては下肢静脈瘤が発症することもあります。もし「もしかして静脈瘤かも?」と感じたら、早めに専門のクリニックに相談することが大切です。

症状が軽いうちに対策することで、手術を避けられるケースもあります。ご自身の足の健康を守るためにも、定期的なチェックをおすすめします。

動画で解説!下肢静脈瘤を予防する生活習慣

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